やはり、寒の入り
昨日は雨も降って暖かな寒の入りだったが一転、今日は地吹雪が吹き荒れる日だった。 遠野に移り住もうという人達もいるが、この冬の厳しさも知って欲しいもの。過去に、イメージよりも厳しい冬だったので、住むのをやめた人もいる。ただし、毎日こんなに荒れるわけでもないので、ご安心を。 遠野の、この厳しい冬を嫌だなぁと見るのではなく、綺麗な情景だと楽しめる様になれば大丈夫だろう。
View Article遠野不思議 第八百四十二話「松崎の吊橋」
自分の親父の古いアルバムを見ていたら、一枚の吊り橋の写真が貼ってあった。その写真の脇には「登戸ノ吊橋」と書かれてあった。このアルバムの後ろには昭和16年の記録と書かれていたので、この吊橋も昭和16年に撮影されたのだろう。ただ、写真に違和感があった。イメージしている登戸の情景と、この写真は違うんじゃなかろうか?と。とにかく確認する為、登戸橋を撮影しに行って見た。...
View Article「遠野物語拾遺221(三途縄の自在性)」
旗屋の縫は当国きっての狩の名人であったといわれているが、この名高い狩人から伝わったという狩の呪法がある。たとえ幾寸という短い縄切れでも、手にとってひろぎながら、一尋二尋三尋半と唱えて、これを木に掛けておけば、魔物は決して近寄らぬものだという。 「遠野物語拾遺221」...
View Article「遠野物語拾遺223(力の源)」
青笹村飛鳥田の菊池喜助という人の祖父が、ある時山で狼にいき遭った。その狼がはむかって来ると、おおいに怒り、あべこべにそいつを追詰めて指で眼玉をくりぬき、縄をかけて家までひきずって来たという。これは五、六十年以前のことである。またこの人は非常な大力で、飛鳥田の路傍にあった六十貫位は充分あろうという大きな六道の石塔を、隣家の爺と二人して路の両側から手玉に取って投げ合ったものだそうな。...
View Article「遠野物語拾遺215(イノシシ)」
土淵村野崎の下屋敷の松爺が、夕方になってからの家の木割場で木を割っていたら、突然そこへ猪が飛んで来た。よし来たと言いざま、その猪の背中に馬乗りに跨って、猪の両眼を指で掻き抉って、とうとう殺してしまったそうな。これも前と同じ頃の話だといった。 「遠野物語拾遺215」...
View Article「遠野物語拾遺219(オコゼ)」
狩人は山幸の呪にオコゼを秘蔵している。オコゼは南の方の海でとれる小魚で、はなはだ珍重なものであるから、手に入れるのはすこぶる難しい。これと反対に漁夫は山オコゼというものを秘蔵する。山野の湿地に自生する小貝を用い、これは長さ一寸ばかり、煙管のタンポの形に似た細長い貝で、巻き方は左巻きであったかと思う。これを持っていると、漁に利き目があるといって、珍重するものである。...
View Article「遠野物語拾遺217(犬の序列認識)」
つい近頃のことであったが、土淵村和野の菊池某の飼犬が小屋の軒先に寝そべっていると、傍らでその家の鶏と隣家の鶏とが蹴合いを始めた。犬は腹這いになったままそれを見ていたが、自分の家の鶏が負けたと見るや否や、やにわに飛び起きて隣家の鶏の首筋を噛み殺したそうな。 「遠野物語拾遺217」...
View Article「遠野物語拾遺185(靑蜘蛛)」
旗屋の縫が早池峯山へ狩りに行って泊っていると、大きな青入道が来て、縫に智彗較べをすべえといった。縫は度胸の据った男であったから、よかろうと答えて、まずその青入道に、いくらでもお前が小さくなるによいだけ、小さくなって見ろと言った。すると青入道は見ている間に小さくなったから、縫はそれを腰の火打箱に入れておいた。翌朝になって火打箱を開けて見たら、小さな青蜘蛛が中に入っていたそうな。...
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