化け猫の家
旅の途中、怪我をして飛べなくなった雀は、ある古い家を見つけ、そこに一晩厄介になる事にした。 その家の脇には、奇妙な大きい猫の置物が置いてあったとさ。 すると、闇の奥から、家の大きさもある化け猫が現れたとさ。 化け猫は、スルスルと雀のいる家の屋根に登った。「誰か、ワシの家に入ったニャ~」 どれどれと、化け猫は家の中を覗き込んだ。 破れた障子の穴から覗き込む化け猫。 「おお、美味そうなスズメだニャ~」...
View Article夜霧の中
昨夜は、何と言うのだろう。多くの野生動物に遭いながら、殆ど撮影するタイミングを逸していた。日本鹿、アナグマ、タヌキ、キツネ、熊が何度も目の前を通り過ぎて行った。 そんな時、車を走らせている最中に、再びツキノワグマに遭遇した。動画の冒頭部に、チラッと映ったツキノワグマ。しかし、必死に逃げて藪の中に消えて行く。...
View Article遠野不思議 第八百四十四話「遊び歩く地蔵」
今の遠野駅前近辺には感応院という寺があり、そこには"感応院の地蔵さん"と呼ばれる地蔵がいた。また別に、若者達の力試しに使用され、あちこちに行く事から"遊び歩く地蔵さん"とも呼ばれた。その名残なのだろうか、地蔵の顔は摩耗している。 この遊び歩く地蔵は、感応院が廃寺となった後、伊能嘉矩が引取って庭先に置いていたが、いつしか阿曽沼墓碑の一角に置く事になり、現在に至る。
View Article第八百四十五話「感応院」
遠野駅周辺だが、まだ路線が通る前は、放光山感応院というお寺があった。宗派は日本の三禅宗のうち、江戸時代に始まった一宗派の黄檗宗であったという。...
View Article鶏の呪
天保元年(1830)に、南部氏の家臣である百千右エ門と云う人物が灌漑の目的で踊鹿の堤を作ったが、それは難工事であったらしい。その工事を神に祈願し、鶏と米一俵を埋めて工事したのだと。その甲斐あってか工事は成功したというが、天候の悪い時に、その堤の附近を通ると鶏の鳴声が聞こえたと伝えられる。 ところが「ものがたり青笹」には、同じ話が違った形で伝えられている。...
View Articleトオヌップと遠閉伊
遠野の語源に、アイヌ語のトオヌップ(湖のある地)だとする説がある。”トー”がアイヌ語で湖という意味となる。確かに、遠野(トオノ)盆地に、水が湛えられていれば、湖であったろうと思える。ただ以前、考古学者の方が遠野を調べた時、湖では無く恐らく尾瀬みたいな湿地帯だったでしょうとの答えが返って来た。それでも、過去に遠野は湖であってもおかしくはないだろうとは思う。...
View Article早池峯神社ガイド
早池峯神社の周辺は、いろいろな花が咲き乱れていた。天気は若干の雨模様だったが、早池峯神社だけに行きたいという大阪からの客を連れて、早池峯神社へと行ってきた。遠野観光ではなく、早池峯神社だけを希望する客は、年々増えている気がする。このブログで紹介してない場合も含めれば、かなりの頻度で客を連れて早池峯神社に来ている。 長い参拝の時間を過ごしていた客であるが、何を想い願っているのかは、知る由もない。...
View Article閉伊氏の正体(其の一)
旧仙人峠に、観音窟と呼ばれる洞窟がある。別名沓掛観音窟と呼び、「上郷聞歩」では、こう説明されている。「早瀬川の源流、細越の沓掛付近の石灰岩地帯に発達した浸食洞窟で、坂上田村麻呂が観音像を祀ったという伝承から、早瀬観音窟と呼ばれるが、一説には中世に閉伊地方を支配していた閉伊頼基の夫人乙羽姫が観音像を祀ったともいわれている。」...
View Article金山繁盛ー黄金に魅せられた人々ー
平成28年7月22日~9月19日の期間に、遠野市立博物館で特別展「金山繁盛ー黄金に魅せられた人々ー」が開かれる。例えば早池峯神社も、始閣藤蔵による金への祈願からだった。聖武天皇時代に東北から金が発見され、その為に東北は征夷の波に襲われた。...
View Article閉伊氏の正体(其の二)
閉伊氏に関係する、尾崎神社がある。その由緒は、どれが正しいという訳では無いが三つある。由緒が三つあるという事は、よくわからない意味でもあるのだろう。伊能嘉矩「遠野くさぐさ(尾崎明神の由緒)」から、その由緒を三つ抜き出して書いてみるが、取り敢えずそのうちの一つは、下記の通りとなる。 【尾崎縁起其の一】...
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