早池峰山遥拝所 其の五(大槌町鯨山)
鯨山は沿岸の大槌町で信仰される霊山である。標高は610メートルで、比較的簡単に登れる山である。また車でも途中まで行けるので、ハイキングがてら大槌町民も大勢気軽に登っていると聞く。その地元民に聞くと、鯨山からは早池峯が遠望できるので、昔から鯨山に登って早池峯に手を合わせる人がいたという。つまり早池峯山の遥拝所としても鯨山は存在したらしい。 頂からの展望は、見事に海が見渡せる。...
View Article「遠野物語拾遺163(黒い影)」
先年土淵村の村内に葬式があった夜のことである。権蔵という男が村の者と 四、五人連れで念仏に行く途中、急にあっと言って道から小川を飛び越えた。 どうしたのかと皆が尋ねると、俺は今黒いものに突きのめされた。一体あれ は誰だと言ったが、他の者の眼には何も見えなかったということである。 「遠野物語拾遺163」...
View Article白狐の死
車で走っていると、白い犬らしきが横たわっているのを発見。車を停めて確認した。すると犬では無く、狐だった。よく見ると色も白色ではなく、ほんのりと淡い黄色の子狐で車に轢かれたのだろう。...
View Article「遠野物語拾遺192(石が降る)」
遠野六日町の鍛冶職松本三右衛門という人の家に夜になるとどこからとも無くがらがらと石が降って来る。それが評判になって町中の者は見物にやって来たが、見物人のいるうちは何の変わった事も無くて、帰ってしまうとまた降った。毎朝石を表に出して、昨夜もこんなに降りましたと見せる程であった。ちょうどその頃に、元町の小笠原という家の赤犬が、御城下で一匹の非常に大きな狐を捕った。尻尾が二本に岐れて...
View Article熊出没多発地帯
毎年の事ではあるが、春先になると熊の目撃情報が飛び交う。今年は、自分の住む場所から近いせいもあるが、遠野ダムへと行く途中での情報をよく耳にする。まあ別に、5月の初めに山菜採りへ行った夫婦が揃って熊に襲われるという事故もあったので、何となく熊情報には全体がピリピリしている感がある。...
View Article天の眞名井の神と火継ぎの神の関係
名くはし 吉野の山は 影面の 大御門ゆ 雲居にそ 遠くありける 高知るや 天の御蔭 天知るや 日の御蔭の 水こそば 常にあらめ 御井の清水 「万葉集 巻一 五十二」...
View Article鍋倉の情景
数日、雨だったり曇りだったりした遠野だったが、今日は午前中から晴れていた。夜には再び曇るみたいだが、折角の日差しの日なので、鍋倉山へと行って見た。 暖かい日差しの中、花が咲き乱れる中、蝶々や蜂が飛び交い、周囲ではいろいろな鳥の鳴き声が響き渡る。こういうのが、楽園とか天国とかの描写に使われるのだろうなと思った。 熊蜂がブンブンと何匹もホバリングをしていた。...
View Article遠野不思議 第八百十九話「虚空蔵神社」
虚空蔵神社の創建は不明。ただ入り口に月山の石塔があり、鳥居脇にも月山を含む出羽三山がある事から、天台宗、もしくは真言宗の影響を受けて創建された神社であろう。...
View Article天の川(2014.05.27)
昨夜は空が晴れ渡り、天の川が良く見えた。 雲の上に昇る天の川。 遠野盆地は雲海に覆われており、その上に天の川が昇っていた。雲海のおかげで、遠野の街の灯りをカットしてくれたので、天の川が良く見えた。 遠野盆地は、厚い雲海に覆われていた。 遠野盆地の雲海は、1月に一回、4月に一回の記憶があり、5月もこれは初めての雲海の気がする。
View Article朝露の輝く遠野
遠野の朝が霧に包まれる事は多い。その霧は水分を含み、それが朝露となる。 こうして、山全体が霧で包まれる。 太陽が昇ると、朝露の水滴が光を浴びてキラキラ輝いてくる。これを見るのが、遠野の朝の楽しみでもある。 そして、その時の遠野盆地は雲海に覆われていた。
View Article「遠野物語拾遺173(狐への意識)」
佐々木君の友人中館某君の家は、祖父の代まで遠野の殿様の一の家老で、今の御城の一番高い処に住んでいた。ある冬の夜、中館君の祖父が御本丸から帰宅すると、どこからどこまで寸分違わぬ姿をした二人の奥方が、玄関へ出迎えに立っていた。いくら見比べてもいずれが本当の奥方か見分けがつかなんったが、家来の者の機転で、そこへ大きな飼犬を連れて来ると、一人の方の奥方は狼狽して逃げ去ったそうな。...
View Article夜に浮かんだ沈みゆく月
昨夜、ふとまだ仄かに明るい空を見上げると、月がうっすらと広がった雲に沈もうとしていた。綺麗だったので、慌ててカメラを持ち出して撮影してみた。 太陽は朝に東からが昇って、夕方に西へと沈む。しかし月は、昇り沈む方角は同じだけれど、時間帯は推移する。太陽が昇っている時の月は、その存在感が薄い。だからどうしても、月の入りと沈みは、忘れたしまいがちだ。...
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