「現代遠野物語」 第百十九話(処刑場跡 其二)
現在の遠野風の丘が建設される前は、鬱蒼とした森だった。そしてその前の道路では、よく頻繁に事故が起きていたので、地域では何かあるのではないかと思われていた。その森が伐採され、いつしか遠野風の丘が建設された。その基礎工事の中、おびただしい人骨が発見された。簡単に処分できないので、その現場から一番近い綾織の曹洞宗である長松寺に、その骨が持ち込まれてまとめて供養された。その当時の住職は、加藤秀山和尚。飲兵衛...
View Article「現代遠野物語」 第百二十話(笛吹峠の人骨)
大槌町に、遠野の宮守町から嫁いだ高齢の女性がいる。その女性から聞いた話だが、その女性は、笛吹峠にある能舟木の、俗に"呪い屋敷"と呼ばれる家に嫁いだそうである。呪い屋敷の謂れは昔、旅の女六部を殺した事により祟りにあった事から、近所で「呪い屋敷」と呼ばれていたそうである。...
View Article明るい未来の遠野
昭和38年(1963年)11月20日発行の地図に、昭和35年(1960年)の国勢調査による岩手県各市町村の人口が掲載されていた。遠野市の人口は、36920人。令和6年(2024年)の広報遠野12月号には、遠野市の人口が24022人となっており、だいたい64年間で遠野市の人口は12898人減少したという事。ただ、実際の遠野市の人口は2万人程度だという噂はチラホラ聞こえる。となれば実際は、1万7千人程の...
View Article野良子猫
去年の11月20日頃から毎晩、家の猫達が夜遅くなると「ギャァ~!」と騒いでいる。猫達で喧嘩しているか、それとも野良猫が入ってきたのだと思っていた。何故なら裏口に、自由に出入りできる猫の入り口があるからだ。しかし、毎晩騒ぐとなるとなんだろ?と意識していた。...
View Article「現代遠野物語」 第百二十一話(現代の山口孫左衛門の没落)
此兇変の前には色々の前兆ありき。男ども苅置きたる秣を出すとて三ッ歯の鍬にて掻きまはせしに、大なる蛇を見出したり。これも殺すなと主人が制せしをも聴かずして打殺したりしに、其跡より秣の下にいくらとも無き蛇ありて、うごめき出でたるを、男ども面白半分に恙く之を殺したり。さて取拾つべき所も無ければ、屋敷の外に穴を掘りて之を埋め、蛇塚を作る。その蛇は蕢に何荷とも無くありたりといへり。...
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