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Channel: 不思議空間「遠野」 -「遠野物語」をwebせよ!-
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野良子猫

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去年の11月20日頃から毎晩、家の猫達が夜遅くなると「ギャァ~!」と騒いでいる。猫達で喧嘩しているか、それとも野良猫が入ってきたのだと思っていた。何故なら裏口に、自由に出入りできる猫の入り口があるからだ。しかし、毎晩騒ぐとなるとなんだろ?と意識していた。

ある夜の遅くに目覚めた自分は、トイレに行こうとした。すると、たまたま誘導灯の灯りの照らし出された灰色の小さな動物に遭遇した。その灰色の動物はピョン!と跳ねて逃げて行った。その時は、ネズミの大きいやつ?と思っていた。そして、その後に遭遇した時に、その正体を確認したら子猫だった。灰色と思ったのは、誘導灯の薄暗い灯りで、よく見えなかったせいもあったのだろう。


その頃の遠野は、既に気温が低下しており、かなり寒い日が続いていた。この子猫は、家の猫の出入り口から侵入し、この建物内部に潜んで生活していたようだった。ある日の晩は、プーンとウンチの臭いが漂っているなと思ったら、この野良子猫が家の猫用のトイレでウンチしているのを目撃。ちゃっかり、家の猫用の餌を食べ、猫用トイレを使用し、あたかも自分の住まいのように生活していたのだった。しかし、ある日の事、家の猫に見つかり、家の外へと追い出されたのだった。

何となくその子猫が気になったので、家の猫の裏の出入り口辺りにトレイルカメラを仕掛け、餌を置いてみた。するとやはり、この家に未練があるのか。というより、この遠野の冬の寒空で、餌付きの温かい空間に出入り自由の場所は、ここしかないだろうという判断から、やはり子猫は入ってきた。そして、そのまま家の内部に入り込み、潜んでいたところを保護(捕獲?)したのだった。使っていないゲージがあったので、取り敢えずそこに生活させる事にした。
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当初は、誰彼構わず「フーッ!」と威嚇していた子猫だったが、次第に慣れてきて、手にもじゃれるようになっていた。何度触っても大人しくしていたので、もしかしてと思い、外に出してみた。すると、何故かパニック状態になり、そのまま裏の出入り口から外へと逃げていったのだった。さてどうしようかと思ったが、いずれ帰ってくるものと思い、ゲージの入り口を開けて置いたら、4日後の夜、ふと見たらゲージの中に自分で入っていた。
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家の猫のランちゃんが、この野良子猫を気に入り、ゲージ越しに仲良く接していた。
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さあ、このまま家で飼おうと決心したところ、別世帯で住んでいる息子が一目見て気に入り、この野良子猫を飼いたいと言ってきた。この子猫が長生きしたとして20年。自分は80歳を優に超えているので、息子に託した方が正解なのだろうと、息子にゲージごと譲ることにした。12月の末、家の息子がこの野良子猫を引き取りに来たが、持ってきたケースに鍵がかかっておらず、狭いところに閉じ込められた野良子猫はパニックになり、そのケースの扉をこじ開けて、外へと再び逃げて行った…。
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恐らく今回もと思い、ゲージの入り口を開けて待っていたら、間一日経ってから、再びこのゲージに戻ってきていた。外に出たはいいが、遠野の寒空を食べ物も無しに過ごす事を、やはり出来なかったのだろう。そして息子に連絡したところ、すぐに引き取りに来たのだった。わずかな間ではあったが、もうすでにかなりの思い入れが生じてしまい、別れは寂しいものとなってしまったが仕方がない事。今は新しい家に住み、かなり慣れてきたと聞いている。

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