これもやはり、山口部落での蝶の話になる。新田某さんの祖母は、長く入院しており、亡くなる数日前の寒い冬の日に、病院の看護婦さんから「お宅の部落から黒い蝶が飛んで出たのを見たから近いわよ。」と言われたそうな。黒い蝶は、人の魂の具現化したものとも云われるが、ここでは人の死の予兆として信じられていた様である。
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