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Channel: 不思議空間「遠野」 -「遠野物語」をwebせよ!-
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「遠野物語57(河童とは)」

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川の岸の砂の上には河童の足跡と云ふものを見ること決して珍らしからず。
雨の日の翌日などは殊に此事あり。猿の足と同じく親指は離れて人間の手の
跡に似たり。長さは三寸に足らず。指先のあとは人のゝやうに明かには見え
ずと云ふ。

                                  「遠野物語57」

確かに、雨の翌日の早朝河原の砂地に行くと、沢山の足跡がある事がある。鳥の足跡、小動物の足跡、鹿の足跡など、様々だ。ただし、猿は仙人峠の奥から六角牛山の笛吹峠よりから沿岸にかけて目撃されるが、遠野の里ではまず猿の足跡を見る事が無い。たまに、はぐれ猿の目撃例がある程度だ。ところでその足跡だが、いろいろなものが重なっている場合もある。一つ変わった足跡を発見したとしても、連続する足跡を見れば、その箇所だけ踏まれて交わり、変わった足跡になっているのもある。当然の事ながら、それが子供などの足跡で、重なったり滑った足跡になっている場合、それは異形な足跡にも感じる事だろう。

ところで、この動画は青森県で撮影されたものだが、現代となって撮影技術の発達やCGの発達によって、どこまでが本当で、どこまでが作り物かわからなくなってきている。もうかなり古くなってしまったが、映画「ジュラシックパーク」を観ると、恐竜の質感がリアルに感じ、それこそ昭和29年に登場した「ゴジラ」に対して恐怖を抱いた時代に、この「ジュラシックパーク」の映画を観せたとしたら、殆どの人が恐竜は実在するのでは?という錯覚に陥りそうなほど、現代の撮影技術は発達しすぎた。

今でもたまに放送される心霊モノなども、真贋が理解できない程になっている。そういう意味から、この動画をまともに信じる人はいないのではなかろうか?いや、その前に河童は架空の生物だという認識が広まっている中でありながらも、撮影技術の進歩した現代ではなく、この動画がもう少し前の時代に放送されていれば、信じる人がいたのかもしれない。

ただ、遠野市の老人クラブがまとめ毎年発刊される「遠野今昔」の初期には、昭和の時代に目撃された河童の話がいくつかリアルに紹介されている。実際、人魂や狐火などの目撃例も昭和の時代には、まだまだあった。ところが時代が進むにつれ、そういう目撃例は皆無となった。それでも"あらぬモノ"を目撃したという話は、たまに耳には入るのだが、そこにも時代の変遷が伺えるのだ。

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