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Channel: 不思議空間「遠野」 -「遠野物語」をwebせよ!-
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朝霧の中の遠野

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六角牛山から、もうすぐ朝日が昇ろうとしていた。

朝の雲海は、毎度のパターンの為に撮影を取りやめて、車を途中で乗り捨てて、道無き道を歩いて山を下ってしまった。その途中の藪の中から、六角牛の頂の右脇から昇る太陽が見えた。

更に下って見ると、霜で真っ白になっている情景が目に飛び込んだ。

朝日を浴びて、霜で白くなった草木は黄金色に変わる。

霜から溶けた水の滴が太陽の光で輝いて、虹色の滴を作り出している。

普段目にする草木が、真っ白に化粧を施した様な霜だった。

それが太陽光で更に色合いが変化する。

ススキも白く凍てついていたが、太陽光で緩んできている。

とにかく、辺り一面、霜の花が咲き乱れているようだった。

草花だけでなく、それに纏わり付く蜘蛛の糸も白くなっていた。

この霜の為に白くなったものは、太陽が昇り切れば、いずれ解放されるのだろう。

霜で白くなった路のよう。ここで気付けば、かなり下まで下がった為に、これから再び歩いて山を登るのは大変になる事から、座敷親父にSOSを出して、迎えに着て貰った(^^;

ホップ畑の辺りもまだ、朝霧で白くなっている。

下界は、まだ濃い霧に覆われていて、どうにか白い太陽が輝いているだけだった。

とにかく下界は白い太陽が、不気味に浮かんでいた。

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