佐々木某家の母親が亡くなった。もうすぐ93歳になる手前だった。その母親の葬儀の準備をする為に、兄弟三人に加え葬儀屋さんを交えた四人で打ち合わせをしている最中の事だった。ハッキリとは聞き取れなかったが、何かのフィルターを通したかのような女性の声が中空から聴こえてきた。その声に反応して、皆がその方向を見た。兄弟三人の中の長女がその声に反応して「お母さん!お母さんでしょ!?」と叫んだ。
身体は亡くなっても、魂は四十九日の間彷徨うとされる。その彷徨っている魂が発した声だったのかはわからない。ただ確実なのは、中空から響いたその女性のような声を、その場にいた四人が同時に聞いたという事だった。
身体は亡くなっても、魂は四十九日の間彷徨うとされる。その彷徨っている魂が発した声だったのかはわからない。ただ確実なのは、中空から響いたその女性のような声を、その場にいた四人が同時に聞いたという事だった。