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Channel: 不思議空間「遠野」 -「遠野物語」をwebせよ!-
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早池峯神社の美女

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過去の画像をチェックしていたら、早池峯神社の山門を撮影している中に、画像の写真が紛れていた。当初、サムネイルを見ているとブレブレの失敗画像だと確認もしていなかったが、今回画像をチェックしてみて、女性の顔が写っているのを確認した。恐らくスローシャッターの為に、ぶれて写っているのだろうが、神楽を撮影している合間の写真ではなく、山門を写している合間にこの画像がある事に違和感を覚えた。とにかく、なんとも不思議な写真が写っていたものだと…。
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座敷ワラシは、子供の妖怪とも、子供の霊とも云われる。別の云われでは、家に同化した子供の魂だとも。画像は、智内兄助の作品で、壁に取り込まれたかのような幼女の姿。家に取り込まれた幼女であるならば、それが具現化する時は神出鬼没となるのだろう。どこからともなく現れる座敷ワラシを考えた場合、家そのものが座敷ワラシの本体であるなら、それは納得するものとなる。
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この画像は当初、カーテンのような薄い幕が透けて写った女性かとも思えたが、炎の様な気体と同化したような女性にも思えた。古代中国では、気体のような、霧の精、雲の精を妖美なるものとして捉えられていたようだ。「巫山の美女」という話がある。赤帝の娘が若くして亡くなり、巫山に埋葬された。楚の懐王が近くに来て遊び、その日の晩、夢で美女に逢う。その美女は自ら"巫山の女"と名乗り、懐王の枕席に侍る。そして「わたしは明日には朝霧となり、夕には行雨となります。」と言い残して去っていったと。翌朝、懐王が巫山を仰ぐと、美しい朝霧が、巫山にかかっていた。王は、その美女を懐かしみ廟を建て、朝霧と名付けたという。霧の妖怪というと、ブロッケンの妖怪を思い出すが、あれは霧の中にクッキリと浮かぶ影で、霧と同化しているのとは、少し違う。どちらかというと巫山の美女は、霊体に近い感じなのだろうか。具現化して美女となり、そして霧に戻る。山の霧は、山の霊気のようなものであるから、巫山に埋葬された娘は、山と同化したものと考えた方が良いのかもしれない。さて、問題の写真だがブレ写真ではあるものの、不思議な雰囲気を有している。ある意味、早池峯神社の霊気によって具現された美女にも思える事から、「巫山の美女」ならぬ、「早池峯神社の美女」という事にしておこうか。



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