$ 0 0 白望山は、白見山とも記される。それ以前は朝倉山と呼ばれた、星見の山だった。途中から白望山となり、現在は白見山表記となっている。「白を望む」「白を見る」という言葉から単純に思い浮かぶのは早池峯であった。この白望山界隈で、まだ白い雪を被っている山は、早池峯しかない。その早池峯は疑似白山でもある。早池峯山中に白山と同じ地名が名付けられ、まるで白山をそのまま移動したかのよう。白山は「しらやま」である。つまり「しら」を「望む」。もしくは「しら」を「見る」とは、早池峯にかかる言葉であると思える。新山は、早池峯を意味し奥州藤原氏は、新山を信仰した。この遠野と大槌の境界の地にも、奥州藤原氏の祖である安倍氏の信仰が入り込んでいる。新山は、早池峯を遥拝する地でもあったと思われる。その新山から白望山までは稜線上にある。その白望山もまた、早池峯の遥拝所であった可能性も否定できないのかもしれない。