
小正月の夜、又は小正月ならずとも冬の満月の夜は、雪女が出でゝ遊ぶ
とも云ふ。童子をあまた引連れて来ると云へり。
里の子ども冬は近辺の丘に行き、橇遊びをして面白さのあまり夜になるこ
とあり。十五日の夜に限り、雪女が出るから早く帰れと戒めらるゝは常のこ
となり。されど雪女を見たりと云ふ者は少なし。
「遠野物語103」に記されているように、一月の満月の日は雪女が出ると伝わっている。その日が昨日の1月12日であった。今年の遠野は暖冬で、サラッと降った雪もすぐに融けたので、10日まで遠野の街には雪が殆ど無い状況だった。それが一転して11日から、昨日の12日にかけて寒気団が押し寄せ、一気に遠野全体が雪景色となってしまった。雪女は、冷気を伴うというが、まさしく今回の寒気団は雪女の襲来であったかのよう。
