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Channel: 不思議空間「遠野」 -「遠野物語」をwebせよ!-
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妖怪好きな観光客

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遠野で宿をしていると、マイノリティではあろうが、やはり妖怪好きな客がチラホラと訪れる。妖怪作家の某氏曰く「全国各地開催されるで妖怪のイベントを訪れると、そこにはどこかで見た顔しかいないんですよね。」と笑って話してくれた。

その妖怪好きの客が遠野で一番行きたい場所はマヨヒガの地であろようだ。マヨヒガの話は、何故か心をくすぐるようである。それ以外にも遠野には、妖怪関係の場所がいくつかある。ただ、遠野市で発行している観光マップには全く掲載されていない為、悪戦苦闘しながら教えた場所に行く観光客もいる。この前泊まった妖怪好き観光客は、自分で妖怪グッズを作って楽しんでいるようだった。そこには自分の知らないマイナーな妖怪を制作したりして、妖怪ライフを楽しんでいるようであった。

今から20年くらい前の事であったろうか。ある泊まったビジネス客が「息子に、遠野に出張で行って来るよ。」と言ったら、その息子は「それじゃお父さん、妖怪を沢山見て来てね♪」と目を輝かせて言われたそうな。実は、漫画「うしおととら」で主人公の少年がバスで遠野に降り立った時、沢山の妖怪が現れる場面がある。それを記憶していた客の息子さんは、心の中で『遠野には妖怪が沢山いるんだ。』と思ったそうである。

妖怪関係の漫画家や作家、そういう系の出版社の関係者がやはり密かに遠野を訪れて取材をしているようである。そういう時には、そういう場所に案内する事になるのだが、とにかくそういう場所は遠野観光マップに掲載されていない為に、自由に行けないのが難点でもある。

例えば、遠野独自の妖怪ブチブクレの棲む日増山などは行ったとしても、その妖怪に遭えるわけではない。ただ「妖怪は現象である。」という言葉を借りれば、そういう雰囲気を味わえる事が出来るだけで、妖怪好きの観光客を満足させる事も出来るのである。まだまだ妖怪好きの観光客は訪れるだろうが、遠野市では、そういう雰囲気を壊さないように、変な開発だけはして欲しくないと願うだけである。

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