$ 0 0 今日、十二月十四日は、時宗金圓山常福寺で、阿弥陀如来報恩会、通称"ガンガラガン"が執り行われた。そして一年に一度だけの、御本尊の御開帳日でもある。この胎内仏となっている阿弥陀如来像は、津波から現れたとされている。伊能嘉矩「遠野くさぐさ」によれば、この常福寺は正平年中に南部氏遠祖の甲州で建立されたとある。 「明徳中南部氏と共に八戸へ移り、応永十八年正月七日、海水爆漲地に溢れしが、水の減ずるに及び海岸に得たる仏像、即ち今に伝ふる本尊なりといふ。寛永四年更に遠野に移れり。」 この阿弥陀如来像の尊さは、津波という天変地異の後に、海岸に現れた事もあったのだろう。神秘を纏った阿弥陀如来像が民の信心を深めるには、必然であった。